「拓人先輩、何ですか?」 「遙にこれ、渡しておいて?」 受け取った紙には ────────── 日向 遙 大会新記録により、 彼の成績をここに 賞する。 ────────── 「っ!!」 あたしはびっくりして声が出なかった。 「遙が好きな幼なじみマネージャーだろ? ほら、早く知らせてやれ。遙、喜ぶよ。」 ニコッと笑った拓人先輩は優しく、あたしは深く一礼して、遙の待つ場所へ向かった。 「遙…いいやつ好きになったな。」 先輩がそう言ってたのに気づかないで。