風に恋して





「On your mark…set…」


──パンッ



乾いた音が鳴り響いた。


その刹那、遙は…風は吹いたんだ。



「っ…ファイトッ!!」



みんなが競技場を見つめていた。



「「「ワァァァァ」」」



歓声と共に、誰よりも速く、あたしたちの風が…走り抜けた。