風に恋して





「…よし、お母さん…行ってくるね。」



「…本当に、大丈夫?」



「うん、大丈夫。」




大好きな桜川高校の制服も、今日が最後。


バックの中には昨日書いた手紙が入っている。



「あ………」



声のした方を向くと遙がいた。


あたしはすぐに遙から視線を逸らして歩き始めた。



「っ優衣!!」



聞こえないふりをして。


この気持ちに蓋をして。


そうじゃないと…あたしの心が揺らぐから。