風に恋して





あたしが歩道に出て、陸斗の車椅子を押した瞬間。




───キィィィィィ!!




遠くからスピードを出した車が走ってくる。



怖い…!!



小さな頃の記憶と重なって、あたしはその場から動けなくなった。





──ドンッ




鈍い音と痛みと共に、あたしは意識を失った。