もう入学早々最悪。
なっちゃんとも離れちゃうし
この席嫌だし
もうついてないよ…

「はぁ…」

「溜め息なんて付いてると幸せ逃げるぞ？」

翔と同じクラスになった時点で
幸せなんてあり得ない。
翔なんて大嫌いなんだから…
それは昔も今も変わらない。


翔とは小学生の時からの知り合いだ
女っ気があまりない私はどちらかというと男友達の方が多かった。
その中でも一番仲が良かったのが翔だ。
話は合うし何よりも一緒に居てて楽しかった。

だけど女の子達はいい気はして無かった。
翔はモテる。
だから翔と良く一緒にいる私の事が気に食わなかったらしく…

もう思い出したくもない。
あんな思い出。
だからそれ以来、翔とは関わらないようにしていたのに…。
何でこうなっちゃうの？


「…い」

こんな状態で学校生活が送れるのかな…？

「おい！」

「はいいい！」

「何回も読んでるのに返事しろよ」

「す、すみません」

ああああ！留年生を怒らせてしまった

「そんなびびんなよ。逆に傷付くっつの」

へ？

「あ、あの…」

「あー悪いな。口調悪くて。もう癖だからさ」

……
…
…あんまり怖くない人なのかな…？