「おぅ。」


今度はマリーがアンジェラに軽く返事をし、ダイニングテーブルにビールを置いた。
そして大股で菜々の部屋に近づき、ドアノブに手を掛ける。

いつも通り、ノックはない。
マリーにはそんな殊勝な機能はついてない。


「菜々、ナンカ飲むか?
ナニがイイ?」


いきなりドアを開けたマリーがドレッサーの前にチョコンと座って髪を乾かしていた菜々に言った。


「あ… えと… なんでも…
は、ダメで… えと…」


『なんでもイイデスは、ダメ』
『自分のコトは自分で決める』

イイコだね。
ちゃんと約束守ってる。

首を傾げて考えながら、マリーに顔を向けた菜々は…


「っ?! ふゃへっ///?!
クァwセdrftgyフジコ//??!!」


座ったままの体勢で、マリーが驚くほど飛び上がった。
そのままベリーロールの要領で回転し、ベッドにダイブする。

ナニ? このコ。
スゴい技持ってンな。

忍者なの?
未来の火影なの?


「…どした?」


マリーは若干ビビりながらも口調だけは冷静に、布団に潜り込んだ菜々に訊ねた。