「えぇっっ?!
コレ、食器じゃなかったンだ?!」
菜々が大きな目を皿のように丸くする。
ナニを言っても信じちゃう。
可愛いね。
てか、アブナイね。
「真に受けてンじゃねーよ。」
マリーはクスクス笑いながら菜々からナイフとフォークと、ついでにパンケーキの皿も取り上げた。
手早く一口大に切り分け、彼女の前に皿を戻す。
ナイフをそのまま紙ナプキンの上に置き、フォークだけを返そうと手を伸ばすと、菜々は悄気た顔でテーブルに視線を落としていた。
「ごめんなさい。
ご迷惑ばかりかけて…
やっぱり私なん」
「食らえ。」
「むぐっっ?!」
お馴染みのセリフの途中で、マリーがフォークに刺したパンケーキを菜々の口に押し込んだ。
かなり細切れにしたつもりだったが、それでも菜々の小さな口には大きすぎたようだ。
まるで頬袋にエサを詰め込んだハムスター。
大丈夫。
迷惑だなんて考える暇もナイほど、おもしろいから。