イイ天気だ。

女子二人にとっては、買い物日和。
一人は女装男子だが。

マリーにとっては、漫喫日和。
天気は関係ナイとも言うが。

なんにせよ、誰にとっても有意義な一日になるハズだ。

が!


(嫌な予感がする…)


顔を洗ったマリーは、鏡に映る自分の顔をジっと見つめた。

顎から滴り落ちる、透明な水滴と赤い雫…

鼻血デスネ。
ソーデスネ。

ナンデ朝から鼻血?
ナンデ顔洗ったダケで鼻血?

もう、嫌な予感しかしねーよ。

白いタオルを血に染めながら顔を拭き、鼻にティッシュを詰めたマリーは自室を出た。

ちょっと落ち着こう。
コーヒーでも飲もう。

なんなら今日は一日、家に籠っていよう…


「アンジー、コーヒー。」


「ハイ。
あ… 鼻血…」


リビングに足を踏み入れたマリーに、ソファーから立ち上がって返事をしたのはアンジェラではなかった。

どー見ても大きいサロペットの裾をロールアップし、どー見ても大きいシャツの袖を折り、なんとか外に出られる格好になった菜々だった。