ゲストルームはそのまま菜々の部屋になった。

彼女には大きすぎるクイーンサイズのベッドは撤去され…
って、もうコレ全取っ替えのレベルだよね、うん。

小ぶりなベッド、丸いローテーブル、ドレッサー、チェスト、その他諸々の家具は全て白。

カウチソファーやカーテンなどファブリックは柔らかいサーモンピンク。

なんつーか… スイーツ(笑)。

アジアンリゾートの中に、完全な別世界が出来上がった。

プロデューサーはやはりアンジェラ。

あれ以来、家の中では化粧もカラコンもやめ、言葉遣いも仕草もめっきり男に戻ったアンジェラだが、こーゆー女子的センスは健在だ。

さすが現役女装男子(対外的)。

ぶっちゃけ、マリーには足を踏み入れにくい部屋だ。
落ち着かない。

だがそれは、菜々も同じだったようだ。

突然与えられた、驚くほど女のコらしい広くキレイな部屋。

初めての自分の部屋。

落ち着かないどころか軽くパニックに陥り、初日はずっとクローゼットの中で体育座りをしていた。

前の家でも、押入れが定位置だったみたいだし…

ドラ○もん?

四次元ポケット隠し持ってンだろ。

貸せよ。