マリーは隣にいる菜々をチラリと盗み見た。
彼女は目を細めてクレープを頬張りながら、午後の木漏れ日を浴びてベンチに座っている。
口の横に生クリームをくっつけて。
無防備にもほどだろ。
てか、美味しそーすぎンだろ。
今日もほんの少しダケ、味わっても…イイ?
「クリーム、ついてる。」
マリーは長い指で菜々の顎を掬い上げ、彼女の唇の端をペロリと舐めた。
そのまま小さな頭を抱え寄せ、シャンプーが香るそのてっぺんに優しいキスを落とす。
これでほんの少しの間、ケモノを宥められる。
しばらく経ったら、さらに激しい飢えにのたうち回るコトになるンだケド。
まるで麻薬だ。
一度口にしてしまったら、求めずにはいられない禁断の果実。
「菜々…
早く大人になれ。」
マリーは切ない声音で囁いてから、いつも通り真っ赤になっているであろう菜々の顔を覗き込んだ。
だが…
(あらら?)
今日はなんだか様子が違う。
トマトなのは、いつもと同じ。
うん、可愛い。
でも、唇が不満げに尖ってる…



