低く硬い声。
眉間に寄った皺。

アンジェラは、確かに怒っている。

なのに、そのハニーブラウンの瞳の奥には、あたたかい光が灯っていて…


「妹に痛い思いさせて平気でいられる兄貴がドコにいンの!」


親愛の情を剥き出しにしたアンジェラの叱咤に、菜々は大きな目をますます潤ませた。


「ご… ごめんなさい…
アンジェラさん…」


「危ないコトする時は、ちゃんと俺に相談するコト!
いい?! 約束だよ?!」


「ハイ… ハイ…
ありがとうございます…
私… 私…」


菜々の返事を聞き、アンジェラは口元を綻ばせた。
頷いた拍子に零れ落ちてしまった菜々の涙を繊細な指で拭いながら、いつものように柔らかく微笑む。


「泣かないで?
わかってくれれば、いいンだ。
次からは、二人で協力してマリーを倒そう。」


「ハイ!
二人で、倒しましょう!」


熱い眼差しを交わし、ヒシっと抱き合う菜々とアンジェラ。



や、いいンだケド。
美しい兄妹愛だと思うケド。

目的を間違ってねーデスカ?