(…
もう、逃げる気はねェよ…)
お馴染みの動悸・息切れ・目眩に襲われながら、マリーは思った。
もう、挙動不審になる必要はない。
もう、悩む必要もない。
淫行条例?
銃撃戦での死亡エンド?
んなモン、知るかよ。
ただ、心の赴くままに。
「お仕置きだって別にコワく」
「黙れ。」
尚も続く無自覚の殺し文句を、マリーは短く遮った。
一瞬、菜々が怯えたように身を竦めるが、すぐに反抗的に口を開く。
「コ… コワくないンですっ!
叱られても、ご飯なんかなくても、マリーさんさえいてくれれば私は」
「黙れって。」
目元だけで笑ったマリーは、ゆっくりと体勢を崩した。
菜々を包み込むように身体を重ね、小さな耳朶に唇を寄せる。
「え…
ひゃ?// ふぇっ???///」
実質上の0距離に狼狽した菜々が反乱も忘れて硬直するが、知ったこっちゃアリマセン。
煽ったのはおまえだ。



