菜々はマリーを捕まえた。
口にくわえていたスタンガンを素早く手に取り、パチパチと青白い光を放つソレを無言でマリーの肩に向ける。
マリーは菜々に捕まった。
だが、それは逆に…
「きゃっ?!」
突然の振動に、菜々は身体を仰け反らせた。
マリーが菜々を背負ったまま、部屋の中央に向けて動き出したのだ。
体勢を立て直そうと広い背中にしがみついた拍子に、スタンガンを落としてしまう。
「あ…」
小さな焦燥の声を上げた菜々が マリーの背から降りようと、拘束の手を緩めた。
だが、降りることはできなかった。
いや、降りるには降りたンだケド…
ふわりとバウンドして転がった場所は、手離してしまったスタンガンから遠く離れたベッドの上。
菜々が動揺した隙を突き、片手でパーカーの後ろ襟を掴んだマリーが、腰を屈めて上半身を捻りながら彼女をベッドに投げ出したのだ。
なんか…
ごめん、アンジーくん。
こんなトコロにも取り扱い格差が。
君が捕獲されたの、床の上だったヨネ?確か。