bloody mary


ダンっ

マリーは注射器を持ったアンジェラの右手を背中に捻り上げ、彼の肩を背後から勢いよく床に押さえつけた。

そんなアヤシイ注射、打たれてたまるか。


「ぎゃぁぁぁぁぁ!
ギブ、ギブ!
助けてぇぇぇぇぇ??!!」


アンジェラが左手でフローリングをバンバン叩き、悲鳴を上げる。

なーにが『助けて』だ。
襲ってきたのはオメェだろ。

その上、超手加減して取り押さえとるわ。


「アンジー…
こりゃなんの真似だ?
この注射、ナニ?」


マリーはアンジェラの腕を極めたまま、不機嫌な声で問うた。

暫しの重い沈黙の後、アンジェラが恐る恐る口を開く。


「…
ブドウ糖?」


「あそ。
肩が外れたくらいじゃ、人間死なないヨネー?」


「いやぁぁぁぁぁ?!
嘘、嘘!
トキシン系をベースに俺が配合した、神経毒ですぅぅっ!」


「は?
シンケイドク… 毒ぅぅぅ??!!」


一気に青ざめたマリーは、アンジェラの手から注射器をもぎ取った。