菜々… 菜々… 菜々…

どうしてこんなバカな真似を…

まともに話も聞かないで、一人で勝手に…

いや、バカは俺なのか?

一人で勝手に別れを決めて、置いていこうとしたから?
『家族』になれないから?
ずっと一緒にいられないから?


(…俺が、殺し屋だから…)


マリーは血が滲み出るほど窓枠に爪を立てた。

暗い後悔が胸を埋め尽くす。

こんな風に死なせるために、菜々を拾ったんじゃない。
こんな風に死なせるために、菜々の前から去ろうとしたんじゃない。

本当に大切だった。
守ってやりたかった。

触れることが冒涜だと思えるほどの、無垢で清らかな笑顔を。

なのに…

神よ。

こりゃ、あんまりだろ。

俺への罰なら、直接俺に下せばイイだろ?

菜々の人生は、やっと始まったばかりだったのに。

神よ。
あぁ、神よ。

俺はおまえを許さない。

菜々を奪ったおまえを、許さない。

おまえのガキだっていう人間共を全員ブっ殺してやる。

セカイノ スベテヲ ブッコワシテヤルヨ