ココで本当に行き止まり。
反乱もおしまいだ。

乱暴にドアを開け放ったマリーは、菜々を威嚇するように大声を…


「おらぁ!! 大人しく降参…し…
あぁぁ?! 菜々ぁぁぁぁぁ??!!
早まンじゃねぇぇぇぇぇ??!!」


大声が、悲鳴に変わっちゃいマシタYO!

菜々は全開にした出窓に膝を掛け、今にも外に飛び出そうとしていた。

って…

ココ、マンション─────!!
地上100m─────!!

ナニする気─────??!!

風に揺れるレースのカーテン越しにチラリとマリーを振り返った菜々は…


「よせっ!!!」


マリーの制止の声を合図に、青い空に身を踊らせた。

この一部屋一部屋ムダに広いマンション、まじ恨む。
爆破すンぞ、コラ。

もう手遅れだ。
間に合うはずがない。

それでもマリーは駆けた。

薄く開かれたドレッサーの引き出しにセッティングされた簡易式ボウガンの罠が発動するが、もう避けない。

太股を狙う二本の矢を片手でまとめて掴み取ったマリーは、出窓から身を乗り出すようにして階下を見下ろし‥‥‥

見れねーよ。

閉じた瞼が開かねーよ…

菜々‥‥‥