菜々が少し赤くなる。
言いにくそうに口ごもる。


「えと… あの… えと‥‥‥
じょ女子トイレに‥‥‥」


「へ? トイレ?」


「変態か。」


目を丸くして聞き直すアンジェラを横目で眺めたマリーが、黒い笑みを浮かべた。


「女装して女子便所に入るヤローなんざ、心がオトメか変態かのドッチかだろ。」


「っ??!!
変態じゃねぇぇぇぇぇ??!!」


リサーチの内容を理解したアンジェラは、真っ赤になって叫んだ。


「じゃ、オトメか。」


「ちっが─────う!!
カムフラだから!!
女のカッコで男便所に入るほうが、変態だろが!!
痴女になっちまうだろが!!」


「いや、やっぱ変態だな。
俺はオメェの性癖ネタを、他にも握ってンぞ。」


「ナニ?!ソレ?!

いやいやいやいや…
やっぱ言わないで。
もう許して。」


「いやいや。
コレ以上隠し事は良くねェゾ?
菜々だって知りてェよなぁ?」