「アンジェラさん…
無事でよかった…」


「菜々ちゃん…」


菜々とアンジェラが、潤んだ瞳で見つめ合う。

…ちなみに、マリーの上で。


「私… 私…
いつまでもお二人と一緒にいられないのは、わかってます。
でも… でも… ナニも言わずに置いてかないで…
マリーさんとアンジェラさんは 私の初めての家族なんです…」


「菜々ちゃん…
ごめんね?
俺… 俺は…
怖かったンだ…」


止まっていた涙がみるみる溢れ出す。
アンジェラは、そっと菜々の小さな手を取った。

…ちなみに、マリーの上で。


「逃げてちゃダメだとか、一人で向き合わなきゃとか、言い訳ばっかして…
マリーと菜々ちゃんに昔の俺を知られるのが怖くて、でも離れるのもイヤで、ナニも言い出せなくて…
それで、いっぱい迷惑かけて…

ごめんね?
怖い思いしたでショ?」


「迷惑なんて…
私…
アンジェラさんがいなくなるコトのほうが、怖かったデス…」


「菜々ちゃん… ぅっ」


「アンジェラさん… グスッ」