てか、アンジー縛られたままだから、体当たりでノックアウトされただけなんだケドネ?!

マウントポジション取られただけなんだケドネ?!

それでもヤロー同士で『ずぎだ』とか言われて、この体勢はねぇだろ─────??!!


「離れろ、まじで。
俺は団地妻じゃねぇ。
てか、勘弁してクダサイ。」


アンジェラの下から這い出そうと、身を捩るマリー。


「ぶぅぅあぁぁりぃぃぃ!!
ありがどぉぉぉぉぉ!!
だいずぎだぁぁぁぁぁ!!!」


マリーの上に跨がって、泣きながら愛を叫ぶアンジェラ。

どーしよう。
収拾つかねェよ。


「マリーさん、アンジェラさん…」


遠慮がちな呼び掛け。

マリーとアンジェラが顔を上げると、扉の外に待機していた菜々が部屋を覗き込んでいた。

そう。
君がいたネ、菜々サン。

この展開をなんとかして。


「ちょ… 菜々、助けて…」


「菜々ちゃん…
菜々ちゃんまで来てくれ…」


ヤロー二人は折り重なって倒れたまま、ドアを握りしめて佇む菜々を見つめた。