男ってヤツはバカばっかりだ。
誰もが彼女の涙にほだされ、その掌で踊った。
俺自身だってそうだった。
マリーも…
そうなるのだろうか?
彼女を信じ、俺を責め、そして殺すのだろうか?
死ぬのは別に怖くない。
『こりゃ死ぬわ』って覚悟したコトは何度もあったし。
怖いのは、また空っぽの自分を思い知るコト。
親族が、友人が、職場の同僚がそうしたように、マリーまでもが俺に背を向けたら‥‥‥
…
あー… もう…
そんなコトになる前に、とっとと死んじゃおっかな。
彼女を道連れに。
上手い具合に、すぐ足元に拳銃落ちてるし…
って、俺、縛られたまんまじゃん。
コレじゃ、撃てねェじゃん。
…なんて、ネ。
ほんとはわかってンだよ。
この手が自由だとしても、きっと俺は彼女を撃てない。
そんなコトが出来るなら、始めから彼女を庇ったりしない。
彼女もそれをわかっているから 平気で銃を手放し、『殺せばいい』なんて言うンだろう。
こりゃ、完全に詰んだな。
どう転がっても、掌の上に乗ったまま。
どう足掻いても、蜘蛛の糸に絡め捕られたまま。
やっぱり俺は、空っぽのまま…



