bloody mary


あら?

今の、彼女の声だよね?
彼女が言ったンだよね?

あらら?

なんか、おかしくナイ?
さっきまでの話と違くナイ?

アンジェラが埴輪顔で振り返ると…

女は少し首を傾げ、細い指で髪を耳にかけていた。
寂しげに、悲しげに、微笑んでいた。
潤んだ目から、涙を一粒零して…

って‥‥‥

ソレ、ナンテ名女優───??!!

アンジェラは目を点にして女を見つめた。

だが、ナゼか視線が絡まない。
女はアンジェラを見ているようで、見ていない。

ダレか別の…


(‥‥‥そーゆーコトか。)


肩を落としたアンジェラは、苦く笑った。

彼女の瞳が捉えているのは、きっとマリーだ。

アンジェラにそうしたように。
たくさんの男たちにそうしたように。

自慢の武器を駆使して保護欲を刺激する不幸な女を演じ、マリーを陥落しようというのだ。

そして味方につけ、思いのままに操り…


(マリーに、俺を…)


殺させるつもりなのだ。