bloody mary


「…クっ」


でっかいのと、ちっちゃいの。
見た目も会話も漫才コンビのような二人を見ていたマリーが、堪えきれずに吹き出した。

いやぁ…
事情はよくワカリマシタ。

緊張してたンだね、菜々。

しょーがねーよ。
こんな危ない状況で、知らない場所に一人キリにされたンだもん、ね。

そりゃ、前傾姿勢にもなるわ。
右手と右足も一緒に出るわ。

いくらニュータイプ菜々でも。

よく頑張りマシタ。
『塾帰りの高校生』なんて設定まで作っちゃって…

可愛すぎンだろ。

横を向いて肩を震わせるマリーを見て、オヤジがウザハゲに目配せをした。


「楽しそーにしてるトコ悪ィケド、教えてくれよ。
このガキが仲間なのか?」


マリーは視線を上げた。

だが、余裕の笑みを浮かべたオヤジには目もくれない。

彼は黙って菜々を見つめた。

背後から身体に回されたウザハゲの手に肩を掴まれ、頭に銃を突きつけられた菜々を。


「おい、とっとと答え」


「菜々。」


苛立たしげなオヤジの声をまるっと無視して、マリーは菜々を呼んだ。