「アニキが死んでる!!」


うん、殺った。


「ナニがあった?!」


だから、殺ったって。


「いったい誰が?!」


俺。

シンデル、シンデル、ナンデ、ナンデ、ダレガ、ダレガ…

飛び込んできた死体に男たちが混乱している間に、マリーは部屋の壁際に移動した。

20畳ほどの、さして広くない事務所だ。

入り口の隣に、書類用のスチールロッカーと観葉植物。
手前にソファーセット。
奥には、見栄っ張りが好みそうな巨大なデスクと革張りのチェア。

その向こうに見える、薄く開いた三階への階段に繋がる扉。

アンジェラに繋がる、扉‥‥‥


「だ… 誰だ、おまえ??!!」


見栄っ張りチェアから立ち上がり、青くなって死体を見ていた恰幅のよい男が、マリーに向かって声を荒げた。

たぶんココで一番エライヒト。

てか、気づくの遅いし。
そりゃ日本じゃ、いきなり死体が部屋に乱入するコトなんてないカモ知んないケドさー…

テンパりすぎ。

もう必要な確認作業、ほぼ終わっちゃったよ?

でも、後もう一つ‥‥‥