素早く立ち上がった菜々は、リュックから取り出したモノをマリーに手渡した。

ナニ?
イヤホン? それも片方?

もう片方のイヤホンを自分の耳に入れた菜々は、手にした機械を弄りだす。

ナニ?

‥‥‥受信機?


「アンジェラさんにつけた発信機は改良型で、盗聴機能があるンです。」


はぁぁぁぁぁ??!!

ナニソレ?!
このコ、Q?!

スゲェェェェェ!!


「この距離なら、ちゃんと作動してれば音を拾えるハズ…
あ。」


短い声を上げて黙り込んだ菜々を見て、マリーも慌ててイヤホンを装着する。

聞こえてきたのは…


『ガガッ 前にコンビニで ガッ
…なかっ ガッ』


知らない女の声。


『ガッ …じてみたくなっガガッ』


アンジェラの声。

話の内容は聞き取れない。
聞こえるのは二種類の声だけ。

しばらく耳を傾けていても、二種類の声だけ…