『変な男が一人キリでやってきて、いきなり銃を撃ちマシタ』

男の叫びがそういう意味なら。

もう疑いようがない。
それでなくても、日本で拳銃を所持している者は限られている。

マリーが、来た。

ナンデ?

‥‥‥‥‥俺を、助けに?

ぅわっ、頬が緩ンじゃう。
キモいゾ、俺。

いやいや、浮かれンなって。
そーじゃねぇって。

だって俺、マリーにナニも話してない。

殺されそーになったコトも。
殺されるかも知れないコトも。

その上ココがドコかなんて、俺自身もわかってねェよ?

なのに、来た。

どーしてそんなコトになったのかサッパリわからないが、今から『ナニ』が起こるのかは明白だ。

マリー無双。

ガァン…
しばらく静かだった階下から、再び銃声が響いた。


「どうやら終わったみた」


ガァン… ガンガァン…
また、三発。

余裕の笑みを浮かべてソファーに腰を下ろそうとした女の肩が ビクっと跳ねる。

アンジェラは上目遣いで女を見上げて呟いた。


「…逃げたほうが良くね?」