芸がないとは、正にこのコト。
「弱い犬ほど、よく吠えるってな。」
マリーは広い肩を竦めた。
「あぁん??!!」
「うるせぇな。殺すゾ、コラ。
俺だって、ティッシュ二枚にコレ以上出す気はねぇよ。」
(ティッシュって… ナンダ?)
一向に自分のペースを崩さないマリーに、住人は焦った。
恫喝も脅迫も、この男には効果がない。
でも、ソレしか手持ちのカードはナイからネ?!
考えろ、考えろ。
理由はわからないが、コイツはガキを欲しがってるンだ。
コッチは売り手だ。
買い手が欲しいモノを持ってるンだ。
そうか。
なら、別の…
「べ… 別のヤツに売っぱらったって、いいンだゼ?
もっと高値が」
「オッサン…」
優位を確信したかのような住人の言葉を、マリーが溜め息混じりに遮った。
「ブローカーの知り合いでもいんの?
こんな見るからに発育不全で傷だらけのワケアリそーなガキ、足元見られて二束三文で買い叩かれンのがオチだ。」



