バァン!


「ひゃっ?!」


マリーが勢いよくドアを開けると、玄関先に立っていた菜々が驚いて飛び上がった。

ナニやってンの?このコ。
こんなトコで。

だが、ソレはどーでもイイ。


「アンジーは?」


よほど驚いたのか胸を押さえて息を整える菜々に、マリーが短く問うた。


「あの…
帰って来ないンです。
私… どうしようかと…」


あー、なるほど。
それでココに、ね。

だが、ソレもどーでもイイ。


「ドコ行った?
いつ出た?
どんな格好だ?」


畳みかけるようなマリーの質問に、菜々は目を丸くして…

深呼吸してから、口元をキュっと引き締めた。


「私が包丁で指を切ってしまったので、アンジェラさんはきれていた絆創膏を買いにコンビニに行きました。

普段なら5分程度で戻られますが、もう30分は経ってます。

急なコトだったので、男の人のままです。
ポニーテール、ジーンズ、グレーのPコート、です。」