「車種はわかるか?
ナンバーは?」


「あ…あの、ごめんなさい。
わからないわ…」


「チっ」


聞き出せる情報はココまでか。

噂話レベルじゃねーか。
使えねぇな。

いきなり舌打ちされて身を竦めたマツモトさんと、ギョっとした顔で凍りつく二人の主婦に背を向けたマリーは、片手でサングラスをかけ直した。

女みたいな顔の、長い金髪をポニーテールにした外人。

心当たりありまくり。
拉致されたオ○カルは、アンジェラである可能性がある。

だが、理由がサッパリ思い当たらない。

ナニか、他に手懸かりは…


(フラグ…)


弾かれたように走りだし、みるみる遠くなっていくマリーの背中を見送った主婦は呟いた。


「今の人も…
イケメンだったわよね。
ちょっと怖かったケド…」


「まさか、ア○ドレとか?
連れ去られた恋人を探してたりして。」


「やだぁ。
それじゃあバン○ランとマ○イヒになっちゃうわ!」


…日本は平和だ。