「俺、バレンタインに酒渡してたじゃん。」


「…あぁ。
アレ、バレンタインだったの?
てか反応って…
そりゃ違ェだろ。
オメェ、男じゃねーか。」


あ。そーだった。
最初から、バレてたンだった。


(とっとと色々自覚してまとまってくれると、俺も安心なンだケドなぁ…)


アンジェラはテーブルに頬杖をついて溜め息を吐いた。


「…
アンジェラさんも、マリーさんにプレゼントしてたンですか?
…バレンタインに?」


「おぅ。
今年はねーのか? くれ。」


おいおい?

変な要求してンなよ、マリーくん。
菜々さんがビミョーに引いた顔してンじゃねーかよ。


「いやいや。
男だとバレてないと思って、やってたダケだから。
カミングアウトしてまで野郎にプレゼントする趣味はねぇ。」


アンジェラが苦笑いしながら言うと、マリーはちぇーと唇を尖らせる。
菜々は安心したように口元を綻ばせる。

この不器用極まりない二人は、この先どうなるンだろう?

ずっと見守っていけるといいンだケド…