笑いを堪えて肩を震わせながらアンジェラは真っ赤になったマリーから目を逸らす。

だがマリーの言葉をそのまま素直に受け取った菜々は、ホっと息を吐いて微笑んだ。


「良かった…
私、イケナイコトをしたかと…
心配ナイですよ。
ニシヤマさん、とても優しいンです。」


「あぅ… そぉ? そぉなの?
そりゃヨカッタネ。ウンウン
‥‥‥ゴメンナサイ…」


「…? また片言…?」


ロボのようなぎこちない動きで椅子を起こして座り直し、俯いたままケーキを食べるマリー。
またも不思議そうに首を傾げる菜々。

あー、面白すぎる。
でもソレ以上にイライラする。

こんなにあからさまなのに、ナンデこんなトコで足踏みしてンの?

もどかしいっつーか、焦れったいっつーか…


「なぁ、マリー。
俺、毎年バレンタインにプレゼントしてたじゃん?
菜々ちゃんに貰うのと、全然反応違うよなー?」


目を三日月型にしたアンジェラが、からかい混じりにマリーに問い掛ける。


「は? プレゼント?」


空になった皿を菜々に手渡して おかわりを要求していたマリーが、アンジェラを見て眉を顰めた。