マリーの情緒不安定は、未だ継続中。
てか、むしろ加速中。

別に、菜々が新たなアクションを起こしたワケではない。

彼女こそ、まさに普段通り。
相変わらず謙虚で、素直で、いちいち可愛い。

マリーに接する態度も、思いを打ち明ける以前と少しの変化もない。

それもそのはず。
菜々は今以上のナニカを望んではいないのだ。

『好き』だから、自分だけを見てほしい。
『好き』だから、自分だけのモノにしたい。

そういう、恋をすれば当然生じるある意味利己的な欲求は、今の彼女にはない。

ただ、心からマリーが『好き』なダケ。

だが、だからこそ、マリーの戸惑いは深まるばかり。

だってさー…

ナニも求められず。
ナニも望まれず。
純粋で無垢な『好き』を一途に捧げられ続けてみ?

ナニゲなく頭を撫でただけで、もう死んでもイイってくらい幸せそーな顔されてみ?

そりゃ、情緒も定まらねーよ?
挙動不審にもなるよ?

頭もおかしくなっちゃいマスYO─────!!

どーすりゃイイの?コレ。

あぁ、動悸・息切れ・目眩が治まらない。

この年で救○のお世話になるとか、イヤすぎンだろ。