bloody mary


「欲しーンなら言えよ。」


「むぐっ?!」


ヨーグルトの乗ったスプーンが菜々の口に押し込まれた。

もぐもぐ…

オイシーデスネ。
ソーデスネ。


(でも違─────う!!)


もどかしさに身悶えする菜々に マリーの大きな手が伸びた。


「ついてる。」


低く響く声と共に、親指が唇をなぞる。

それだけで触れられた部分が熱を持ち、全身に広がっていく。

人体発火5秒前。

なのに…

彼は親指を舐めた。
ヨーグルトがついた親指を、舐めた。

さっき唇に触れた指を…


(///っ ズルいです…)


菜々は拳を胸に当てた。

全細胞が焼け焦げる。

頬が熱い。
息が苦しくなって、喘ぐように口を開いてしまう。
目が潤んで、視界が狭くなる。

あぁ…
早く目を逸らさなくちゃ。

このままでは死んでしまう。

目を逸らさなくちゃ‥‥‥