bloody mary


バターン!


「…どした?」


ダイニングチェアに座ってヨーグルトを食べていたマリーが、スプーンをくわえたまま振り返った。

無言でマリーに近づく菜々。

軽く首を傾げるマリー。

どうやら、まだ気づいてはいないようだ。

菜々はマリーの隣に行き、両手を後ろで組んで胸を張ってみた。

なのにマリーは、ヨーグルトに視線を戻してしまう。


まだ気づいていないようだ。

菜々はダイニングテーブルをクルリと回り、マリーと向かい合う席に腰を下ろした。
両腕で胸を寄せるようにして、頬杖をついてみる。

イイ加減気づいてくれなきゃ、泣いちゃうよ?

ほらほら、いつもと明らかに違うでショ?
女のコらしいでショ?

コッチを 見───て───!!

菜々の必死の願い(呪いか?)が通じたのか、マリーがふと顔を上げた。
不思議そうに菜々を見つめたあと、片眉をピクリと動かして唇の左端を歪めて笑う。


(気づいてくれた!)


あまりの感動に、菜々は目頭を熱くした。

だ が !