完全にコドモ扱いされていると思う。

ナゼだかわからないが、よく笑われてるし。
泣いたら、飴やアイスを買ってくれるし。

あの人の中で自分は、幼稚園児レベルではなかろうか。

そりゃ、あの人はオトナだ。
フツーのオトナより、ずっと複雑なオトナだ。

とめどなく凹んでしまいそうでとても聞けないが、恋愛遍歴だってさぞ華麗に違いない。
あんなにカッコイイんだもん。
(↑恐るべし恋愛フィルター)

両手に余るほどのバラを侍らせてきたあの人から見れば、自分は土手に咲く名もない花だろう。

いやいや。
ペンペン草程度だろう。
(↑言いすぎ)

でも…

16なンだよ? ペンペン草でも。

5才児じゃないの。

求めることは罪じゃないと教えてくれたのは、あの人だ。

なら、望んでもイイ?
頑張ってみてもイイ?

この恋が叶うことはナイ。
それはわかってる。

あの人が自分を16の女のコとして見てくれるなら、もうそれだけでイイから。


(よし…
やるゾ、私!!)


小さなガッツポーズで自分を鼓舞してから、目を閉じる。

菜々の『マリーさんに女のコとして認識してもらうゾ』大作戦が、今、始まる‥‥‥