「あの… アンジェラさん?
疲れました?」


物思いに沈み、黙り込んでしまったアンジェラに、申し訳なさそうに眉を下げた菜々が問うた。


「んーん。大丈夫。
もう休憩はおしまいー。」


束ねた髪を揺らして首を振ったアンジェラがニコリと微笑む。

もう、やめ、やめ。

男が男を思って考え込むとか、BL要素がなくてもキモいだろ。

次は確か古文の勉強の予定だ。

でも…
後、一つだけ。


「ね、菜々ちゃん。
なんでマリーは菜々ちゃんを連れて帰ってきたンだろ?」


「…わかりません。
アンジェラさんの時は、どうでした?
聞いてみたンですか?」


「…聞いたケド…
『おまえがバカだから』
だってさ。」


「…」


菜々とアンジェラが、揃って首を捻る。

『バカだから』
ナニか、深い意味が隠されているのだろうか。

マリーはよく物事を鼻血のせいにして済ませているが、本当はそうではないンだろう。

やはりソコには、常人には理解できない彼なりの理由が‥‥‥