日々テレビから流れる凄惨なニュースが、某ハンバーガー大国の某州を恐怖のドン底に陥れていた。

それは連続殺人事件。

拷問による殺人を繰り返す、シリアルキラーが現れたのだ。

その殺害方法は残虐非道を極めた。

男女問わず見目麗しい若者を拉致し、数日間食事も与えず監禁して抵抗する体力と精神力を奪う。

その後、万力で足と腕をじわじわと絞め上げて潰す。

そして完全に動きを封じられ、悲鳴を上げ続けるだけの人形と成り果てた被害者に、口にするのもおぞましい拷問を加えるのだ。

最終的に声を出すこともできなくなった被害者は、まだ息のある内に火炙りにされて適当な場所に遺棄される。

側溝や裏通りなどいたる所で発見される遺体は、熟練の検死官でも吐き気を覚えるほど無惨なものだったという。

怯え、警戒を強める近隣の住民たち。
だが僅かな隙をついて繰り返される犯行。

被害者の数は、とうとう二桁に乗った。

しかし警察関係者も、ただ手をこまねいていたわけではない。

容疑者は挙がっていた。

だが、手が出せない。

犯人と見られる男は、ある有名大手企業のCEOで、その地方の名士でもある人物の血縁者だったのだ。