コレ、どーしましょ?

まぁ、どーしよーもねぇケド。
一緒に住んでる以上、隠し通すコトも難しいし。

遅かれ早かれ、カミングアウトしなければならないのだ。


「て… テッポウですか?」


テッポウて。
その呼称、久々に聞くわ。


「おぅ。商売道具だ。
俺、殺し屋だから。」


菜々の呟きに笑いを噛み殺したマリーが、手元に視線を戻しながら言った。

平静を装いながらも、内心ちょっとドキドキ。

①絶叫
②恐慌
③通報
さぁ、どー出る?

菜々は無言で部屋に入り、マリーを避けるように迂回してベッドの上に洗濯物を置いた。



②カナ? コレ。

まぁ、当然の反応デスヨネ?
なんせ菜々はシャンプーだし。

マリーは溜め息を飲み下し、黙々と作業を続けた。

だが菜々の次の動きは、マリーの考える『シャンプー故の当然の行動』ではなかった。

ベッドをクルリと一回りしてマリーの前を通過し、隣にチョコンと腰を下ろしたのだ。

…あら?
なんで直線的に動かないの?

いやいやいや、その前に…
君、怖がって逃げないの?