bloody mary


手品の種明かしをするような少女の言葉を聞くうちに、優男の表情が徐々に変化していった。

怒りに歪んだその顔に、少女が信じた『純粋な彼』の面影はもうない。

ガタ───ン!

椅子を蹴倒しながら立ち上がった優男は、荒々しく少女の腕を掴んだ。


「テメェェェ!
俺よりも、そんな会ったばっかの男を信じたっつーのか!
この裏切りモンがぁ!!」


ぅわぁ…
その逆ギレっぷり、いっそ清々しいわ。

てか『僕』はドコ行った?

少女の目が、ギラリと狂暴な光を放つ。


「裏切りモンはテメェだぁ!!!」


ボゴォっっ!

少女の咆哮と共に拳が飛んだ。

ビンタじゃなくて、グーパンなのね…

なんつーか… さすが『妹』。

首を180度回した優男が、呆気にとられるオヤジの足元に倒れ込む。


「このクズが!
次そのツラ見たら、ソッコー警察呼んでやっからっ なっ!!」


「グハっ!」


転がる優男の腹にトドメとばかりに蹴りを一発入れてから、少女は颯爽とファミレスを後にした。