bloody mary


(聞いたって…
どーゆーコトだ?)


優男は焦った。
表面上はなんのコトかわからない体を装って首を傾げながら、ギャンブルに侵された脳をフル回転させる。

さっきの会話を聞いたのか?

ソレは非常にマズい。

全部嘘で。
完全に騙して。
彼女を風俗店に売ろうとしていたコトまでバレたってワケだ。

いやいや、落ち着け。
そりゃねーよ。

この席に着いた時、念のために仕切りの向こうも見てみたが、彼女はいなかった。

誰かが入店する度に顔を確認していたが、彼女はいなかった。

大体、ココで話していたコトが聞こえそうな距離にいたのは、真後ろの席の抱き合うバカップルだけ‥‥‥



ん?

んんん??

後ろでイチャついていた水商売風の女の髪は赤かった。

今、優男の手元にあるのは、赤いウィッグ。

そして目の前で仁王立ちする少女が着ているのは、水商売をする女が好みそうな派手な服。


(まさか…)


あの女は…
彼女だったのか…?

優男の顔から、急速に血の気が引いていった。