オヤジと優男が視線を上げると腕を組んで顎をツンと反らした高慢そうな少女が、二人のテーブルの間に立っていた。
「なんで…」
優男が、目を瞬かせて呟いた。
彼は彼女を知っている。
『俺のためならなんでもシてくれる』女が、まさに彼女なのだから。
あれれ?
なんでココにいンの?
もう一人の客が早漏だったにしても、早すぎねーか?
なんでそんな派手なカッコしてンの?
制服のほうが客の金払いがイイって、教えたよな?
なんだか腑に落ちないが、カモがネギ背負ってやってきたのに違いはない。
「待ってたよ。
君に会いたかった…」
優男は、夢を追い続ける純粋な青年モードで優しく微笑んだ。
だが、彼を見下ろす少女の目はどこまでも冷ややかだ。
「待ってたのは、私じゃなくてお金でショ?」
「え?」
「聞いたわ。
なにもかも、全部。」
片手で肩の下辺りまでの黒髪を背に流した少女が、硬い声で言った。



