「あ、違うの。誤解しないで?
私は、この人の…
えーと、えーと‥‥‥妹?」


アンジ─────??!!

ナニさらにややこしいコト言っちゃってンの─────??!!

そりゃねぇだろ。
あり得ねぇだろ。

だって今おまえ、完全に白人女性だよ?
金髪碧眼だよ?

比べて俺は、完全にアジア系男性デスヨ─────??!!

あぁ… 火に油… ガクッ


「なんなのよ!!
そんな言い訳で誤魔化す気?!
バカにしてンじゃナイわよ!!」


バッッチ───ン!!!

ハイ、般若にシバかれマシタ。

脱力しきっててまともに食らった俺は、アンジェラの胸に倒れ込んだ。

そして感じた。
鼻の下に、生温かいモノを…

ソレを見た女は、ますます逆上した。


「ナニよ─────??!!
抱きついて、鼻血なんか出しちゃって─────??!!
許さない!!! 結婚詐欺よ!!!
訴えてやるぅぅぅ!!!」


憤然と去っていく女の背中に向けて、俺は声なき声で叫んだ。

鼻血はオメェのせいだろが!!

オメェのビンタで、鼻血噴いたンだろーがよぉぉぉぉぉ!!