どんなに小さな声でも。
どんなに拙い言葉でも。

マリーには届いた。
アンジェラには… 届く?


「コワいンデス… 私…
どんな風に見られてるンだろうって…
私を見る… みんなの目が…
コワいンデス…」


震える声で、祈るように菜々は囁く。

どうか… どうか…

拒絶しないで…
嫌いにならないで…


「でも…
勉強は教えてくれませんか…?
私… 頑張りマスから…
平気になったら… いつか…
きっと… きっと…」


菜々は力尽きたように項垂れた。
審判を待つように、静かに睫毛を伏せる。

言った。
言ってしまった。

アンジェラが動く気配がする。

受け止めなければ。
どんな結果でも‥‥‥


「ごめんね?」


穏やかな声が掛けられ、頭に手が触れた。


「菜々ちゃんのキモチも考えずに…
俺、急がせすぎちゃったね。」


優しい指がゆっくり髪を梳く。

菜々は恐る恐る目を開けた。