(あ…)


菜々は眉尻を下げて自分の足元に視線を落とした。

マリーがナニを言いたいのか、わかってしまった。

キモチを伝えてもいいのだろうか。
突き放されたりしないだろうか。

コワイ…

上目遣いでチラリとマリーを見上げるが、彼は黙って菜々の決断を待っている。

…デスヨネー?

この人は道を示してくれる人。

だけど、背中を押してくれたりはしない。

道の先で、私が足を踏み出すのをずっと待っていてくれる人。

私が、自分で‥‥‥


「ハイ。」


菜々は小さく、だがシッカリと頷いた。


「よし。」


もう一度菜々の頭を撫でたマリーが踵を返して再び歩き出す。

手を引かれて彼を追いながら、菜々は焦った。
まだ聞かなきゃならないコトがあるのに…

でもまた立ち止まっちゃうと、今度こそ繋いだ手を放されてしまいそう。

ソレはイヤ。

…どうしてだろう?

わかんないケド‥‥‥
なんかイヤ。