醸し出される、底冷えするような雰囲気。
サングラスの奥で光る、獰猛な眼光。
なんか… ヤバい。
この男はヤバい‥‥‥
なのに菜々は身体に回されたヤバい男の腕に両手を添えて、安堵の溜め息を吐いた。
「マリーさん…」
返事はない。
だが男は彼らを睨みつけたまま空いていた手を軽く菜々の頭に乗せた。
(なんなの…?)
二人の女子高生たちは、混乱する頭を必死で回転させようとした。
まさか… ほんとにカレシ?
こんな、自分たちでは手が届きそうもない、危険な香りのする大人の男が?
あの最下層の菜々のカレシ?
爆笑レベルで惨めだったじゃない。
ナニか恵んでやろうかと思えるほど、惨めだったじゃない。
なのに、こんなに可愛くなって現れて。
モデルみたいな美女が従姉で。
危険な大人の美形がカレシで。
あり得ない。
そんな夢みたいなコト。
そんなドラマみたいなコト…
そうよ…
「ね… ねぇ、菜々?
この人も、親戚なンだヨネ?」



