「竜!?」




竜はあたしの意見など聞く気が無いみたいで。



「降ろしてっ。」




「うるせぇ。」




視界が遮られたと思ったら、それはヘルメットで。




「しっかり掴まっとけ。」





そう言って竜はあたしの腕を掴んで自分の腰に巻きつけた。

そんな事をすると、当然くっつく訳で。
竜の体温が伝わってきた。




「あったかい……………。」



「あ?何か言ったか?」



「ううん。何でもない。」




そっと額を竜の背中にくっつける。




「行くぞ。」




竜の声が耳に響いて、酷く安心する。