次の日、あたしは倉庫の幹部部屋で竜と二人きりだった。



「ねぇ、春馬達は?」



「知らねぇ。」



「そ、そっか。」





あたしは幹部部屋の1人用ソファに座っていて、竜はテーブルを挟んだ向かい側の長いソファに寝転がってバイク雑誌を読んでいる。


春馬達がいつも居るからあんまり気にしないんだけど。

こないだ竜の事が好きって分かったから、なんか緊張する。





「おい。」



「えっ?何!?」




急に話しかけられるから、つい大きな声を出してしまった。





「んなにびっくりすることねぇだろ。今からどっか行くか?」



「へ?どっかって、どこ?」




「お前が行きたいとこで良いよ。」





あたしが行きたいとこ、か。


あたしは……



「星が見えるところに行きたい。沢山星が見えるところ。」




いつか、星になりたいなって思ってた。
大空に輝く星に。




「分かった。行くぞ。」



「うん。」




竜はあたしが頷くのを見ると、あたしの手を取って幹部部屋から出た。




繋がってる手は熱くて、その熱が顔まで来て。

顔を1人赤くしながら、意識していた。