瑞希の秘密に気付いてから数日後。
今は、優吾の呼び出しにより大学の屋上にいる。



『5月のそよ風はきもちぃねぇー』


『そやな。』

『んで、優吾の話は⁇』

『あぁ、
瑞希のことや。美香には言ったほうがええとおもて。
すきなんやろ⁇瑞希のこと。』


『な、何で知ってんの⁉』


『そら、みてればわかるわっ‼俺と瑞希の態度違いすぎやろっ』


『まじっ 意識してはいなかったんたけど、、、』


『まぁ、ええわ。あいつは鈍感やから大丈夫やろ。』


『で⁇瑞希のことって何⁇』

『これ聞いたことあいつには言うなよ。
それから、信じられへんかもしれんけど瑞希の過去も受け止めてやってほしい。無理にとは言わんけど、、、』


『私はそのつもり。私は瑞希のすべてを受け止めてたいと思ってる。
でもなんで私に話すの⁇』


『初めてなんよ。瑞希が人と楽しそうに話して、笑顔をみせんの。
瑞希は、ホンマに心開いた奴としか絡まんからなっ』

『そぅだったんだ、、、』

『で、あいつの過去やけど。長くなるで⁇』

『聞きたい。』


『おぅ。


確か、瑞希の耳が聴こえないのは先天性のものなんや。
せやから話すことすらできなかったんや。
あいつの家は離婚して母親しかおらへんから金銭的には、かなり厳しかったらしいんや。
母親はいつもいつも働いて、、、
当然瑞希の世話もできない。
手話を勉強しとらんから、瑞希とのコミュニケーションすらとれない。

そんな時母親はどーしたと思う⁇』


『ま、さか、、、捨てたの⁇』


『正解や。

そこを施設の人に拾われたんや。
ここから瑞希の施設生活が始まったんよ。』

『うん、、、』

『瑞希は学校に通うようになったんやけど、しゃべれへんし聞こえへんしでまわりとのコミュニケーションがとれへんかったん。そんな瑞希を面白がってイジメがはじまったらしんや。

それはそれは残酷だったみたいで、、』


『もしかして、それで瑞希は人ごみがダメになったの⁇』

『多分な、、、
あいつは苦しんだんや。もがいてもがいて、、、

せやけど、、、
人間不信になってしもた。
せやから、人ごみにいるときっと混乱してしまうんやろな。
瑞希が最初に発作起こした時はびっくりしたわ。
瑞希は笑いながら、自分の過去を話してた。せやけど、俺は笑えへんかった。』


『当たり前だよ。ありがと、、、、グスン、、、』

『お前が泣くなや。理解者ができて瑞希も嬉しいとおもうで‼』


『ありがと、』


『えぇよ。
ただ、瑞希は人を自分から信じようとしない。
でもお前とは、普通に話してたからびっくりしたよ。
きっと、瑞希はお前のこと信用しとるで』


『嬉しい、、、』

『瑞希のこと好きか⁇』

『うん。』

『ならよしっ‼応援しとるよっ‼』

『ありがとっ‼』

『おぅよっ‼またなっ』

『うん、またねっ』