「やっぱいないか………」
そう音楽室を出て行こうといた時に
「唯?」
小さな声だったけどはっきりしていて、確かに聖夜の声だった
「聖夜?どこ?どこにいるの?」
「ここだよ」
夕日に染められたカーテンの裏側から長い脚が伸びた
溜まってた感情が一気に溢れ出して思わず抱きついてしまった
「おっと」
「聖夜‼‼よかったぁ〜いなくなっちゃったかとおもった
ずっとここにいたの?マンションに新聞溜まってたけど」
「俺、宇宙人だからずっとここにいたよ」
「バーカ………………………ごめんね………………」
「いいよ 気にしてない。それよりももっと大切なことがあるんじゃないの?」
「さすが宇宙人
よく分かってるじゃない だったら話は早いね
ダラダラしてないで行くよ」
「はいはい
じゃあ競走ね。誰が一番早く目的地に付けるか」
「いいわよ やってやろうじゃないの
あの時計が6時を指したらね
5
4
3
2
1
ドン!」

