「私の強さ………………ですか?」
前にもこんなこと言われなかったっけ?
「はい。ごく普通の楽器をお持ちになられたにも関わらず、自分が持っているテクニック、豊かな感情を力いっぱい演奏されたことが我々を音楽家としての初心を蘇らせてくれたのです」
「はぁ………………よかった…
ありがとうございます」
「はい。第二次予選も楽しみにしてますよ
それでは「ちょっと待って下さい‼」
「まだ何か?」
「対したことじゃないですけど…
何故三日遅れなんですか?」
「あぁ〜
実はお恥ずかしがりながら審査員委員会でもめあってしまいまして………………
桜木唯様を通過にするかしないかで意見が対立してしまったんです
当初は私が反対派の意見を押し切り、無理やり電話をかけようとしたのですが寸前のところで審査員長としての行いではないことに気づきました。
そこで、公平に多数決にすることに決めたのです
審査委員会は全部で25人居りますので、丁度多数決で決められました。
それが見事に半分半分に別れてしまいましてねぇ〜………………
一人だけ投票していない者が居りました
フランスのロイヤル・レラサーテオーケストラの常任指揮者のブライアンさんです
ちょっと変わった方でしてね〜
まさかあんなに桜木唯様のことを気に入られるとは………………」

