私は知っている。

目で分かる。オーラで分かる。

彼女たちは陰で私の悪口を言っている。

「梨花ぁー」
ショートヘアの小さくて可愛らしい女の子がスカートをフリフリしながら、こちらへやって来た。真白瑠奈。私が属しているグループのリーダー的存在だ。それに続くように三人の女子も小走りでやって来た。

「ん?何ー?」
私は適当にほほえんだ。
「何かぁ、最近さぁ、梨花、本ばっか読んでて面白くなーい。もっとウチらと話そーよ」

「ごめーん。だってこの本面白いんだよ」
もちろんウソだ。つまんなすぎて2ヶ月前から読んでいる。

「えー、じゃあそれ読み終わったらまたウチらんトコ来てよ?」
「はいはい」
小さく笑って見せると、瑠奈も満面の笑みを浮かべた。

瑠奈が何か合図をしたのだろう
か。4人はゾロゾロと私の机から帰って行った。
そして、教室のすみに集まると、クスクスと笑い出した。
内容は大体予想がついた。

気持ち悪い。

ウザいならウザいとはっきり言ってしまえばいいものを、わざと、ねちねちと絡んでくる。
それも、さも仲が良いかのように。
きっと、彼女たちは私の悪口を言うことで繋がっているのだろう。

もし私が学校に来なくなったら、また誰かを憎むことで繋がるのだろう。

女の子って怖い。